お米からアボカドまで。杉浦さん家の畳2枚分のベランダ菜園 [おうち菜園な人]

どうも、月に一度ソラマメが食べたくなります。おうち菜園の江里です。

家庭菜園を楽しんでいる人、もしくはそれをサポートすることで”育てて食べる”という体験をワクワクするものに変えている人を紹介しているコーナー「おうち菜園な人」。

第2回目は、2畳ほどのベランダを家庭菜園の実験場としてフル活用している杉浦たかしさん。去年にツイッターで繋がり、その暮らしっぷりに惚れて以来、定期的に会わせていただいています。

杉浦さん-1

杉浦さん(左)と江里(右)

育てているのは、お米から大根、さらにはアボカドまで。そこには、本を読んでその通りに実践するのではない、杉浦さんならではの暮らし方がありました。

自宅のベランダを持て余している人には、ぜひとも読んでもらいたいです。2畳のスペースでここまで色々と実験できるんですから。

2畳のベランダにぎっしり

手作りの木製プランターからロケットストーブ(断熱式のまきストーブ)、さらにはソーラーパネルまで並ぶ杉浦さんのベランダには、家庭菜園だけにとどまらない”暮らしの実験”があふれています。

杉浦さん家のベランダ

窓から見えるベランダ菜園

ベランダ詳細

ベランダにはぎっしりとプランターが

ソーラーパネル

ベランダに設置されているソーラーパネル

ロケットストーブ

手作りのロケットストーブ。

家庭菜園というと、園芸店から種や苗を買ってきて育てる、というイメージがあります。もちろん、これはこれで楽しいことなのですが、杉浦さんのアプローチはちょっとユニーク。

食べたゴーヤの種をとって植えたり、玄米を発芽させて収穫したりと、日常の食事の中から”育てる種”を見つけています。

杉浦さん リンゴも種から発芽させて育成中です。冬場に葉が枯れましたが、春になってまた葉が生えてきました。元気に育ってほしいなぁ。

稲穂

稲穂

アボカドの苗

発芽までに数ヶ月かかったアボカド

よくよく考えればこれは自然なこと。オレンジ、カボチャ、ナスなど、私たちが日常で食べているものには種がありますよね?店で買わなくても、身近に種の存在があるんです。

杉浦さん 水菜はアブラムシの影響で大変な思いをしたなぁ。肥料を与えすぎたかもしれません。ベビーリーフは何度も収穫できて、かなり重宝しましたね。あとは、キッチンでもやしを作ったり。

モバイルプランター

室内にあったキャスター付きの栽培ゾーン

収穫したミニ大根

収穫したてのミニ大根

畳2枚分のベランダというのは、特別狭いということではないですが、広くもありません。これくらいのスペースであれば、「うちにもある!」という人が多いのではないでしょうか。

例えば、ピーマンを切るときに捨てている種。プランターと土を用意して、これを植えてみると実験的で面白いかも。本を読んで準備万端でスタートするよりも、「生えてくるかな?」というワクワク感がプラスされます。

では、そもそも杉浦さんがこうしてベランダ菜園をするようになったきっかけは何なのでしょうか?そこには「退職」「オーストラリア」「農的暮らし」というキーワードがありました。

銭湯の店長からオーストラリア暮らしへ

大阪で育ち、京都の大学を卒業した杉浦さんは、某銭湯に就職。3年ほど店長を務めますが、自分の生き方についてじっくり考えるために退職します。

その後、2ヵ月間フィリピンで語学留学を体験し、10ヵ月間をオーストリラリアで過ごします。ここでの暮らしで触れたのは、ヨーロッパやアラブ系の人々のさまざまな価値観。

オーストラリアのシェアハウス仲間.jpg

オーストラリアのシェアハウス仲間たちと一緒に

オーストラリアから帰国すると杉浦さんは、アースデイ東京(日本最大級の地球フェスティバル)で、”パーマカルチャー”という持続的な農業を知ります。これをきっかけに色々と調べ、様々な人にも会い話を聞いていきました。

杉浦さん ここからですね、持続可能な暮らし、農的な暮らしが”未来のカタチ”なんだと思い始めたのは。

アースデイ東京

毎年日本各地で開催される地球フェスティバル「EARTHDAY」

パーマカルチャー(Permaculture)というのは、1970年代にオーストラリアで生まれた環境に負荷をかけない農業の形。カルチャー(文化)という単語が含まれている通り、その範囲は”暮らし”にまで及びます。

そう考えると、これに刺激を受けた杉浦さんがソーラー発電まで実践していることにも納得。最近では、この延長線上で”12V家電”なるアート作品の販売もスタートしています。

012vhe

12V家電アート作品販売サイト『012vhe』

ソーラーパネルと木材で組み立てた「モバイルコンセント」と呼ばれる作品が特に印象的。この箱をひょいっと持ち運べば、屋外でも電源を確保できます。まさに、”コンセントを持ち運ぶ”感覚。

モバイルコンセント

箱形のモバイルコンセント

LEDスタンド

LEDライト

はじまったばかりのプロジェクトではありますが、杉浦さんがこれから様々な”アート作品”を生み出すことが楽しみです。

いつかは移住したい

「田舎に行くと仕事探しが難しい」と話しながらも、力強く「いつかは移住したい」と話す杉浦さん。美容師の奥さんからはすでに理解を得ていて、いま着々とこれに向けて準備中だとか。

杉浦さん 田舎は生活コストが安いですが、まずは月に15万〜20万円は稼げるようにならないと。夢は、小さな村をつくることです。そこで独自の地域通貨をつくって、その中だけで価値が循環する仕組みを作りたいですね。

杉浦さん

杉浦さん。モバイルコンセントを持って、背景にはベランダ菜園

おうち菜園では、”家庭菜園”を主なテーマとしていますが、野菜を育てた先には食卓があり、それは”暮らし”に直結します。そう考えると、「家庭菜園→ソーラー発電」という杉浦さんのアプローチは自然なのかも。電気だって身近な存在ですしね。

しかも、杉浦さんが使っているのは畳2枚分のスペースのみ。家庭菜園をあきらめる理由のひとつに「場所がない」という要素がありますが、例えば畳1枚、いや半分くらいだったら確保できそうだと思いませんか?

ぜひ、自宅に埋もれているスペースを探してみてください。”育てて食べる”ための場所は、意外なところにあるのかもしれません。

杉浦さんのブログ▼
SUSTAINA PROJECT

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