「種まきを楽しむ機会をふやしたい」そんな想いで9月から開催している「種だんごづくりワークショップ」。子供の頃によくつくった”泥だんご”に野菜の種を入れたものを、みんなで楽しんでつくるプロジェクトです。
この”種だんご”なんですが、つくるのが意外とむずかしい。まんまる綺麗な形にしようとすると、かなり根気がいる作業なんです。
ということで今回は、種だんごづくりの意外な難しさと、「でも、みんなでやれば楽しいよ!」「ヒビが割れても芽はでるよ!それが最大のお楽しみだよ!」ということを伝えたいと思います。(最後に、次回開催の告知あり!)
種だんごづくりの流れ
具体的なステップについては初回のレポート記事を読んでもらえればと思いますが、ざっくり説明しますと、まず好きな野菜の種を選び、”ケト土”という粘土質の土で土台を作っていきます。その後にきめの細かい土で”膜”をつくり、磨き上げていく、という流れです。
最初の土台をつくる作業でちゃーんと形を整えてあげると、ヒビが割れにくい土台になります。
ケト土には藁(わら)などの異物が混ざっていることがあるので、大きなものはこの段階で取り除きます。
まんまるにできた綺麗な土台は、こんな感じ!
種だんごの”膜”づくり
そのあとは、種だんごをコーティングする”膜”をつくっていきます。
ワークショップでは、”さら土”と”さら粘土”(とおうち菜園では呼んでいます)を濱田が参加者に「どうぞ〜」と順番に配っていきます。
ここでは、できるだけきめの細かい土を使いたいので、参加者はネットをつかってそれを濾していきます。
この後は、さらさらの土をだんごにかけて、やさしくなでて、の作業をひたすら繰り返していくのですが、このとき、「あ、ヒビ!」と声があがることが多いです。
ヒビは当たり前。それとちゃんと向き合う
実はこれは、種だんごづくりでは普通のことなんです。皆さん、「ちゃんとつくる=ヒビがない」と思うかもしれませんが、ヒビはかなりの高確率で出ます。
このヒビとどう向き合っていくかが、種だんごづくりで大事なことです。
ヒビの大きさにもよりますが、細いものであれば、繰り返し手で表面をやさしくなでてあげれば、徐々に直ってきます。
ただ、ヒビがひどくなると…
これは、第2回目の開催時に私がつくったものなんですが、見事にだんごの片面がヒビをきっかけにはがれてしまいました。
一方で、こんなに綺麗につくった参加者の方も。
この参加者の方は普段からアクセサリーを自分でつくっているそうで、手先がとても器用。さすがだなぁ…
こういう意味では、つくった経験がなくても一発で綺麗につくれてしまう!種だんごづくりは、そんな魅力も持っています。
一番の楽しみは、発芽
とちょっとネガティブなことを書いてしまいましたが、ヒビが入ってもいいのです。だって、種だんごづくりの一番の楽しみは”発芽”なのですから。
どんな種だんごにも、最後にはヒビが入ります。それは、植物が元気にでてきた証拠。上からは芽が、さらに下からは根っこがでてきますよ!
食の知的冒険を、みんなで楽しもうよ
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