こんにちは。おうち菜園の濱田です。ゾンビが出てくる映画は大抵おもしろく観ることができます。
さて、前回の記事では僕がコーヒー粕でキノコを育てようと思ったきっかけから、それを無事喫茶店でゲットできた話について書きました。ようやくこれで”コーヒーキノコ”を育てる準備が整い、いよいよ今回は具体的な栽培方法についてです。(前回の記事はこちら)
最後の小さなヒラタケの発生を見つけたときは、もうほんと感激。相変わらずニッチな記事ですが、「自宅でキノコを育ててみたい!」と燃えている人にとっては貴重な情報なのでシェアさせてください。
コーヒーキノコとは
毎日大量に廃棄されている”コーヒーのかす”を材料として栽培されたキノコのこと。通常は天然の木に菌(キノコの卵)を植え付ける「原木栽培」か、人工の培地(樹木、米ぬか、麦ぬか、水を配合)を使う「菌床栽培」の2種類。コーヒーキノコの場合、この培地の材料として”コーヒーのかす”を100%活用し、キノコを発生させます。
日本初のコーヒーキノコ量産へ向けて実験開始!
まずは5ヵ月間にわたった僕の栽培記録をどうぞ。後半では、栽培方法についても具体的に説明していきます。
☆1ヶ月経過☆
僕の所感:菌がまわり始めました。いい感じです。楽しみ。
☆2ヶ月経過☆
僕の所感:まだキノコ菌が全体にまわっていません。
特記事項:妻が「これカビじゃないの!?」と騒ぎ出します。
☆3ヶ月経過☆
僕の所感:まだ発生しません。なかなか難しいな。
特記事項:妻から「これやっぱりカビでしょ!」と撤去指令が出たので、Amazonで顕微鏡セットを購入。覗いて見せて、これはキノコなんだと説得。
☆4ヶ月経過☆
僕の所感:ちょっと遅いな。どうしたかな。
特記事項:キノコ農家の意見を聞こうと実物を送ってみる。
☆5ヶ月経過☆
キノコ農家の所感:これ、カビです。
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ということで、5ヶ月間にわたり、僕はクローゼットで”カビ”を育てていました(泣)
ただ、話はこれで終わりません。ここからミ、ミラクルが!
出てました!!!ヒラタケ小指大!!!
カビとはいえ丹精こめて育てた生き物。ごみ箱にポイと捨てる気にはなれず、(肥料にはなるので)河川敷の原っぱに撒こうと、1つ1つ菌床を細かく砕いていたとき。何かが見えました。こ、これは!!!
で、出てましたよ!!!ヒラタケですよ!!!
この後は大きくはならず、そのまま萎えてしまいましたが、結果として子供の小指くらいだけどキノコは出ました!(やりました~!)
結論:プロに任せるのがベスト
子供の小指くらいのキノコが出たよ!(超ポジティブ笑)
でもやっぱりプロに任せたほうがよいですね。
ということで、今はプロの生産者に頼んでちゃんとした設備を備えた施設で実験してもらっています。ただ、まず自分でやってみたことは良かったと思っていて、こんなことを得ることができました。
1.生産者と会話できるレベルの知識が身についた
2.キノコが大好きな愛すべき人達と知り合うことができた
3.栽培がとにかくおもしろかった!
今回の栽培方法をおさらい
今回の栽培方法を、6段階に分けて簡単におさらいします。
1.コーヒーカスの抑菌処理 | 消石灰水に4日浸水させて雑菌を抑制。 |
2.水切り&袋詰め | 水切りしたコーヒーカスを2kgに分けて袋詰め。 |
3.きのこ菌の植え付け | きのこ菌(キノコの卵のようなもの)を個々の袋へ植えつけ(今回はヒマラヤヒラタケを使用)。 |
4.培養 | 2~3ヶ月間、暗くて通気が良い場所に保管し、きのこ菌がまわるのを待つ。 |
5.培養完了 | コーヒーカスにキノコの菌糸が蔓延して真っ白になったらOK。 |
6.発生 | 霧吹きなどで水をかけたり、土に埋めたりして刺激を与え、キノコを発生させる。 |
※ゼロエミッション式キノコ栽培法(様々な廃棄物からキノコを栽培)のHPを参考にしました。
ゼロエミッション式は、一般的な栽培方法からするとかなり簡素化されたものですが、せっかちな僕はもっと早く、もっと簡単にできないものかと思い、抑菌処理や水切りを更にシンプルにしたりと、条件を自分なりに変えて実験していました。ゼロエミッション式を忠実にやっていたらもっと上手くできたのかもしれません。
***
以上、起業前の話でした。他にもベランダでアクアポニックス(魚で野菜をつくる農業の形)をはじめたり、養蜂をしたりと、僕はまず自分で実践することを大切にしています。
幸か不幸か、起業後はいろんな分野のエキスパートが関わってくれるようになり、自分の実践の量が減ってきています。ただ最近になって、盛り返してやろうとまた動き始めました。笑
ここでこの記事は終わりですが、最後にちょっとした小話を。お時間ある方は、よろしければあと30秒ほどお付き合いください。
キノコ栽培のきっかけは祖父
どうして僕がこんなことをやりだしたかというと、祖父の影響なんですね。
酒飲みで豪快伝説はたくさんありますが、僕にはやさしかった。魚屋さんをやっていて、昼休みになると「山行くか?」と誘ってくれたのを覚えています(今考えると仕事してませんね)。
山歩きが好きで、本棚にはキノコの本がぎっしり。シーズンになると、一緒にキノコを探しにいきました。木に生えていたり、地面に生えていたり、形も色もさまざまで、本当に楽しかった。
険しい場所では「ちょっと待っとけ」と幼い僕を山道に置きざりにして、一人山へと入っていく。待っていて藪がガサガサしたかと思うと、袋にたくさんのキノコを持った祖父。そんな姿がめちゃかっこよかったんですよね。
残念ながら、僕が小学校3年生のときに亡くなってしまいましたが、魚釣りも、山菜採りも、キノコ狩りも、祖父、そして父親から教えてもらいました。僕にとってはそういう小さい頃の原体験が楽しすぎて、今でもこれを引きずっているのでしょうね。
これは仕事とか関係なく、いつか僕も祖父に教えてもらったことを次に伝えていきたいなあと真面目に思っています。
最後ちょっとじいちゃんエピソードが長くなってしまいましたが、こんな感じで実践を続けて、もっとおもしろいものであったり、もっとワクワクするようなものを追いかけていきたいです。
読んでいただきありがとうございました。
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