”ほぼ養蜂家”が教えるはちみつの魅力8つ。味の種類から効能、深い歴史まで

はちみつ

photo credit: Dino Giordano

こんばんはー!おうち菜園の”ほぼ養蜂家”、けんちんです!これは、小学校時代のあだ名なんです(たぶん名前が健吾なので)。それから”ハマケン”、”けんご”と変わっていきましたが、今回、少年時代の原体験(とにかく自然が大好きだった!)をきっかけに起業することができたので、また”けんちん”に戻ろうと思っています。笑

さて、今回は”はちみつ”の話。パンケーキに塗ったり、お菓子づくりに使ったり、みなさんは日々どれくらい食べていますか?ぼくは、温かい紅茶に入れてよく飲んでいます。そんな日常にあるはちみつ。実はとっても神秘的で、自然のやわらかい魅力に溢れているんです。

はちみつの味の種類から効能、環境へのメリット、さらには深い歴史(なんと8000年!)まで、その魅力を8つ(ハチ!)に分けて紹介していきます。後半では、「ミツバチが生涯で集めるはちみつの量ってどれくらい?」なんて疑問への答えも。

1. はちみつの味は1種類だけじゃない

はちみつは、ミツバチがどの花の蜜を集めてくるかで味が違ってきます。日本だとレンゲ、アカシア、ミカン、リンゴなどがあり、海外にはマヌカ、ブルーベリー、ラベンダーなど、たくさんの蜜源があります。

レンゲの花とミツバチ

レンゲの花とミツバチ(photo credit: Otota DANA

ワインに例えるとわかりやすいでしょうか。ワインはブドウの果汁を発酵させたお酒なわけですが、扱う品種が違えば味も違ってきます。たとえ品種が同じでも、その年の品質や育つ土地によって味も左右されます。はちみつも同じなんです。ヨーロッパには、こうした品種の違いを把握したうえで料理に合うはちみつを選んでくれる、「はちみつソムリエ」までいます。

2. はちみつは、花とミツバチの合作

花の蜜は、彼女たち(蜜と花粉を運ぶ”働きバチ”は全てメス)によって手が加えられて、はじめて”はちみつ”になります。子供の頃に一度は経験があるかもしれませんが、花の蜜をなめても、はちみつほどの甘さを感じることはありません。はちみつに含まれている糖分は、花の蜜に含まれているものとは異なるものなんです。文字通り、「みつばち加工食品」なんですね。

働き蜂

花粉と蜜を巣まで運ぶ働きバチたち(photo credit: Paul Rollings

せっせと花蜜を集め、はちみつを作っている彼女たちを想像すると、なんだかほっこりしてしまいます。

3. 効能は肌の保湿から火傷の治療まで

花とミツバチが作りだす”はちみつ”は、自然の恵みそのもの。土地によって昔からさまざまな効能が伝えられています。例えば、下記3つ。

・お肌の保湿、メラニン生成の抑制(シミ予防)
・傷、やけど、口内炎などの治療
・歯石の予防

効能だけ聞くと薬みたいですね。実は、ほんとうに薬として承認されたはちみつもあるんです!「マヌカハニー」といって、ニュージーランドだけに生えるマヌカの花蜜からとれたはちみつ。2008年にFDA(米国食品医薬局)が火傷の治療薬として承認、病院で活用されるようになりました。この前、とある展示会で食べる機会があったのですが、すごく濃厚でおいしいはちみつでした。これが薬なんて~!

マヌカの花

マヌカの花(photo credit: Sid Mosdell

4. 甘いのに低カロリー

「はちみつは砂糖と比べて低カロリー」って聞いたことありませんか?本当にそのとおり。同じ量の砂糖と比べると、はちみつは90kcalも少ないんです。 加えて、砂糖の60%の量で同じ甘さに。つまり、はちみつ60gの甘さは砂糖100gの甘さに匹敵するということ。

はちみつは、ビタミンとミネラルが豊富で、ポリフェノールや若返り効果があるといわれている”パロチン”など、150を超える成分が含まれた栄養豊かな食品。独特の風味やコクをもつので、料理につかうと”うまみ”も増します。

※天然のはちみつにはボツリヌス菌が混入していることがあるため、1987年に厚生省(当時)から、胃腸が未発達な一歳未満の乳児には、はちみつを与えてはならないという通達が出ていますのでご注意ください。(参考記事

5. 自然環境や地域社会づくりに繋がる

養蜂家は、花蜜が出ることを「花が蜜をふく」と言います。「今年はよくふいてるなー!」なんて言うときは、ほくほく顔。自然任せ、みつばち任せであるからこそ、より一層、環境の変化に敏感となり、周りの蜜源を大切にしています。

銀座ミツバチプロジェクト」や「梅田ミツバチプロジェクト」のように、大都会の真ん中(実際にはビルの屋上)で養蜂を行い、植樹や花壇を増やすことで、自然環境と地域社会作りにつなげる取組みも生まれています。素敵ですね。

銀座ミツバチプロジェクトの目的
“ミツバチの飼育を通じて、銀座の環境と生態系を感じるとともに、採れたハチミツ等を用いて銀座の街と都会の自然の共生を感じること”

ー『銀座ミツバチ物語』(田中淳夫著)より一部引用

6. はちみつの歴史はなんと8000年!

はちみつの歴史はとんでもなく古く、ヨーロッパで紀元前6000年頃には食べられていたという記録があります。人類史上はじめての甘味料だったそうです。それから約8000年が経ちますが、ぼくたちはその頃と同じようにはちみつを食べていますね。8000年変わらないって。。はちみつは「究極のアート」なのかもしれません。

7. はちみつは腐らない!

皆さんは、腐ったはちみつを見たことがありますか?ないですよね?そう、はちみつは腐りません!プロ養蜂家に聞くと、20年は保障するとの答えが。実際に、考古学者のT.M.デービス博士が、古代エジプトの墓から約3300年前の蜂蜜瓶を発見しましたが、その品質にほとんど変化はみられませんでした。もう想像できません。。

箱に入ったハチミツ

photo credit: Creative Commons

8. 情感ゆたか

「はちみつ」というと、青空の下、花々が咲き乱れ、清清しい気持ちにさせてくれますね。一方、英語で「Honey(ハニー)」というと、甘い誘惑、ちょっぴり危険な香り、薄暗いバーカウンター(飛躍しすぎ?笑)といったイメージも。

ここまで人の感情に訴えるのは、とても長い時間をかけて人とはちみつが蜜に関わってきたからだと思います。あなたは、「はちみつ」と「ハニー」どちらが好きですか?

***

みつばち一匹が生涯をかけて集める蜜は、ティースプーン一杯分といいます。彼女たち(働きバチ)が健気に集めてきた一杯分のはちみつ、これにちょっとだけ想いをよせて口に運ぶと、これまでとは違った甘さを感じることができるかもしれません。

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