以前、フランスで2010年に生まれていた家庭用ビオトープを紹介しました。魚と植物がスタイリッシュに組み合わさって育つ風景は、なんともユニークで癒やされましたよね。
関連記事:
フランス生まれの家庭用ビオトープ。お魚と植物が仲良く過ごす生態系を家庭に
この記事では、パリのデザインスタジオ「Duende Studio」と3人のデザイナーが組んで考えられた菜園を3つ紹介したのですが、デザイナーのベンジャミンさん(Benjamin Graindorge)のサイトを眺めていたら、さらに面白い菜園を発見!しかも2009年ということなので、前回の記事よりも時期は前です。
水槽に浮かぶ庭「Floating Garden」
まず目に映るのは、水槽の上に育っている植物たち。丸みを帯びた特殊なタンクが水槽の上にそのまま乗っている?ような感じで一体化しています。
構造はシンプルで、水槽内に設置した水中ポンプが魚が汚した水を吸い上げ、それを上の植物が栄養として吸収、浄化された水が白いパイプを通って水槽に戻る仕組みです。市販の水槽にオリジナルタンクを追加した、という感じでしょうか。
上の植物タンクの中央には丸い物体があり、ここに水槽からの水が吸い上げられるよう。厳密に言うと、魚のフン(アンモニア)はいきなり植物の栄養にはならないので、ここでバクテリアの力を借りて分解し、無害な物質(硝酸塩)になったところで栄養として吸収という、とっても大事な現象がここで起こっています。
自然が大好きなのか、ベンジャミンさんの作品リストを見ると他にも興味深いものが多くあることに気づきます。植物の茎のラインを活かした花器は特に印象的。京都の九条山に住んでいたことがあるそうで、そのときの経験が元になって生まれたのでしょうか。
今回紹介した菜園システムは、2009年にパリで展示会が開かれ、当日は販売もされていたそうです。いやぁ、これは行きたかったし、僕だったら勢いで買っていたかもしれません。
日本でもこんなふうに先進的な菜園を提案する人が増えたらおもしろそうです。もちろん、ちゃんと植物や生き物が育つことが重要なので、デザイナー、研究者、農家などがうまく連携して新しい菜園生活を作っていってくれたらいいですね。
(via DUENDE PR)
Profile
- Twitter:@ouchisaien
- 「生産者は、わたし」そう自慢したい一品があふれる社会を実現したい。そんな想いを持った、家庭菜園ウェブマガジンです。おうち菜園とは
最近の記事
- 2015.09.28アクアポニックス「未来の農業」としての可能性。海外で話題の循環型農法「アクアポニックス」とは
- 2015.09.27アクアポニックス未来の農業「アクアポニックス」の循環の解説ーーバクテリアの働き
- 2015.09.26アクアポニックスアクアポニックスの歴史(古代〜現代)ーー循環型農法の軌跡を1000年前から振り返る
- 2015.09.25アクアポニックス未来の農業「アクアポニックス」で選ばれる代表的な魚3種類