蜜蜂の大切さを都市へ。お花が添えられた巣箱「Apiarium」であなたも都市養蜂家に

どうも、最近全く自炊ができていない(あぁ…)、おうち菜園の江里です。

「世界の食料の3分の1は・・・。」

突然ですが、皆さんはこの文章の後にどんな言葉が続くと思いますか?世界の食料の3分の1は野菜?肉?

続けてみましょう。

「世界の食料の3分の1は、”ミツバチの授粉”に依存している。」

そうなんです。例えば、私たちが普段食べているカボチャ、トマト、メロン、イチゴなどの作物は、ミツバチがその花の蜜を吸う変わりに授粉を助けてくれていなければ、食卓に並んでいないかもしれません。

そう考えると、今まで「刺されそうでこわい」と思っていたミツバチの存在が違ったものに見えてきますよね。

今回紹介するのは、そんなミツバチの存在を特に都市に住む人々にとってより身近にするもの。イタリアの大学生がデザインした、とってもおしゃれな巣箱「Apiarium」です。

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円柱フォルムに、トップにはお花

縦に長い円柱デザインに、トップにはお花が添えられたこちらの巣箱「Apiarium」。既存の箱形の巣箱を知っている人にとっては、「え?これが巣箱?」と驚くようなビジュアルです。

この巣箱をデザインしたイタリアのボルツァーノ自由大学のベッティーナさん(Bettina Madita Böhm)によると、この円柱フォルムは、木の空洞に巣をつくる蜜蜂の習性から考えついたものだとか。

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最下部の木製プレートを使えば、ハチミツの収穫が簡単に

この円柱の中に、巣枠(蜜蜂が巣をつくるスペース)が入るような構造で、巣枠を拡大したい場合は、六角形デザインが特徴的なパーツを上から積み上げていく仕組みです。

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内部に巣枠が並んでいる様子

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巣枠を取り出している様子。ここに蜂が巣をつくります

冬場には断熱材として機能

トップの花は、蜜蜂の授粉を促すもので、夏場にはクーリングとしても機能するもの。巣枠が入る部分の素材は気泡コンクリート(light concrete)を採用しているので、これが冬場には断熱材の役割も。最下部のある木製プレートを活用すれば、ハチミツの収穫も簡単に行えるデザインです。

Bettina Madita Böhm

デザイナーのベッティーナさん

淡い白を基調にしたデザインが温かく、その上に添えられた植物がより映えているのが特徴的。

もちろん、上部の植物だけでは十分な蜜は採れませんが、普段は遠くの蜜源まで出張しているミツバチたちの行動の一部がすぐ上で行われると思うと、”小さな生態系”が実現されたような感じで素敵です。

ミツバチ生息数の世界的な減少

ここで深く掘り下げるつもりはないですが、この動きの裏に世界的なミツバチの生息数の減少がからんでいるのは事実。

2009年には日本で原因不明の大量死が報告され、米国では2012年から2013年にかけて30%も減少したというデータも。「世界の食料の3分の1はミツバチの授粉に依存」と冒頭で触れたように、この現象が私たちの食卓にも大きな影響を与えるのです。

そうした流れもあって、今までは遠い存在であった養蜂(ミツバチ飼育)をもっと身近にしようと、既存の箱形デザインから脱出した新しい巣箱が海外で続々と登場しています。


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みなさんは、ミツバチにどんなイメージを持っていますか?お尻に針を持っているという事実から、どうしても攻撃的なイメージが強い生き物ですが、実は私たちの食卓を裏で支えている大切な生命。

この機会に、ぜひ5分でも10分でも考える時間をつくってみてください。

(via Dezeen

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