
Photo credit: ndrwfgg via Flickr
はじめまして、この度、ハーブ料理関係の記事を書かせていただくことになりました、ハーブ料理研究家のつちやよしこ、と申します。1回目の投稿は、私の大好きな“ローズマリー”について。
クリスマスといえば、イエス・キリスト誕生を祝う世界的イベント。実はローズマリーも、ここと深いかかわりを持ったハーブなのです。
イエスを助けたハーブ
その昔、新しい時代の始まり。聖母マリアは幼いイエスを連れてエジプトへ逃れました。
その際、緑の葉と白い花で生い茂るローズマリーの中に身を隠し、その上にマントを広げた途端、白い花が青に変わったといいます。

聖母マリアはイエスの産着を洗い、ローズマリーの上に広げ乾かしていたので、ローズマリーの持つ数多くの効力は、イエスキリストの超自然的力が移ったためともいわれています – Photo credit: Yoshiko Tsuchiya
そして、そのおかげで身を隠すことができ追っ手からの難を逃れることができました。
このようなエピソードから、マリー(マリア様)とローズ(バラ)を合わせて「ローズマリー」(マリア様のバラ)というニックネームがつきました。
それから長い歳月が過ぎた今も、ローズマリーはイエス・キリストの背丈よりも成長をすることなく、イエス・キリストが十字架に磔にされた33歳(33年)の月日がたつと枯れてしまうともいわれています。
祝福に欠かせない”聖なる植物”
このような出来事から人々は、昔からローズマリーを“聖なる植物”として宗教儀式には必ず必要としていました。結婚式ではローズマリーの枝で新郎新婦を祝福、葬儀では棺の上にローズマリーが使われていました。
そして、イエスに最も関わり深い植物とされてきたため、クリスマスにローズマリーでリースなどを作り祝福をしたといわれています。

紺色の可憐な花は、「マリアのばら」と言われるだけにハーブの中では最も美しいと、中世時代はヨーロッパの宮廷でも、庭園に栽培されていたといわれています – Photo credit: Yoshiko Tsuchiya
和名は「マンネンロウ」
ところで、私たち日本人にもなじみ深いローズマリー。日本に渡来したのは江戸末期で、どんな時も蝋がかかっているほどベタベタとした枝や茎を持っているために、「マンネンロウ」という和名がついたそうです。
この“蝋”はいわゆる香りの油“精油”。からだ中にたっぷりの油を持つローズマリーは、他のハーブと比べると、かなり強い香りを漂わせています。

強い樟脳に似た香りには抗酸化作用、頭脳明晰作用などがあり、最近ではご老人のボケ防止に役立つとテレビ放映でとても話題になったのも記憶に新しい。
和 名:マンネンロウ
属 名:海の雫
種小名:薬用の 商売
分 類:シソ科 耐寒性常緑低木
花言葉:記憶、思い出・貞節・誠実・あなたは私を蘇らせる・変わらぬ愛
効 能:薬用成分が高く、食用薬用としての利用範囲も広い。
その昔のハーブとクリスマスの関わりを振り返ると、今年のクリスマスはまた、ちょっと違ったムードを味わえるのではないでしょうか。
皆様、素敵なクリスマスをお迎えくださいませ。
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