どうもっ、「おうち菜園」運営の江里です。自宅で飼っているベタ(熱帯魚)が最近元気になってきて、やけにうれしくなっているこの頃です。
今回紹介するのは、家庭にも設置できる小型の栽培キット。海外のものを3つ(Windowfarms、Click & Grow、Modern Sprout)、日本のものを2つ(Vegeuni、Green Farm)紹介します。
全てのキットは、水を使って植物を育てる農法「水耕栽培」を採用しているので、土が必要ありません。水やりだって必要ないのです。そんな意識をベースに、「わたしはどれが欲しいかな?」と考えながら、ぜひ読んでみてください。
Windowfarms
ニューヨークで誕生した「Windowfarms」の特徴は、なんといってもそのフォルム。高さ約1.2mのこの縦型栽培キットは、名前の通り、窓際に設置することを想定されています。
下のケースに養液が入るようになっていて、そこからポンプの働きによって、管を通して水が植物まで届くようになっています。必要な手間は、週に1度の水換えのみ。レタス、いちご、バジルなど、12種類の植物を育てることができます。
これならせまい部屋でも置けそうですし、太陽の光を浴びながら収穫ができて楽しそうです。横ではなく”縦”に野菜を育てるという発想は、いままでになかったスタイル。新しい栽培体験になりそうです。
お値段は、ひとつ199ドル(約2万円)、ふたつだと299ドル(約3万円)。まだ日本にはきていないので、残念ながら入手はできませんが、こういう形式の栽培キットは、そのうち日本でも登場しそうな予感です。
こちらについては、グリーンズさんの記事が詳しいです。開発ストーリーにも触れています。
あなたも”窓辺農園”はじめませんか?オープンソースで開発された家庭菜園キット「Windowfarms」
Click & Grow
カリフォルニアにある会社が開発した「Click & Grow」というスタイリッシュな栽培キット。植物にとっての専任トレーナー、シェフ、親のような存在をイメージしてつくられています。
独自のナノテクノロジー技術で開発した「スマートソイル」という培地が入っていて、それによって、植物が必要とする水、酸素、栄養を自動で与えてくれます。必要なメンテナンスは、月に1度の水換えくらい。
キットには、LEDライト内蔵の「ハーブガーデン」と、ライトなしのシンプルな「フラワーポット」と呼ばれる種類があります。(子供と映っているものがハーブガーデン)
お値段は、フラワーポットが79ドル(約8000円)、ハーブガーデンが99ドル(約1万円)。室内で新鮮なトマトやいちごが食べれたり、観賞用のお花を飾るのもありです。コードなしの単三電池4本で動くので、場所も取らないですし、デザインもシンプル。インテリア感覚で置きたい人にはよいかもしれません。※日本未上陸
Modern Sprout
シカゴで誕生した栽培キット「Modern Sprout」は、横幅41cmの奥行き14cmの、横長なフォルムが特徴。スタイリッシュなところはもちろん、装置が自動で水や栄養の量を調節してくれるので、メンテも簡単です。
とくにおもしろいのは、遊び心をプラスできるところ。用意された4種類の素材の中に、チョークボード(黒板)があり、好きな文字や絵を書いたりして、コミュニケーションツールとしても活用できます。
他の栽培キット同様、電気代もあまりかからず、年間5〜7ドル(1000円以下!)で済むそう。育てられる植物は、オレガノ、ラベンダー、トマト、レタス、ほうれん草など30種類!ひとつのキットで、3種類を育てられます。もちろん、観葉植物もOK。
まだ販売は開始されていませんが、お値段がひとつ129ドル(約13000円)。太陽光モデルもリリース予定で、こちらは219ドル(約22000円)です。
キットが届いたら、日光があたる場所(窓ぎわ)に置いて、植物、水、養液を投入してタイマーを設定すれば、あとは電源にさすだけ!育てて食べるだけでなく、その装置自体をアレンジできてしまう、なんとも遊び心満載のキットです。
Vegeuni
さて、ここからは国産の栽培キット2種を紹介。去年(2013年)10月から販売されている「ベジユニ」は、白いシンプルなフォルムなのに、ちゃんとLEDライトも内蔵している、とても洗練されたデザイン。高さと横幅が約30cmで、正面からみると、やわらかいキューブみたいな形に見えます。
種まき、植え付け、養液作りをさいしょに済ませれば、あとのメンテナンスはほぼ必要ないので、忙しい人にも負担になりません。植物によって差はありますが、だいたい40日くらいで収穫して食べられるそう。
「緑と絆を育てるインテリア」というキャッチコピーの通り、部屋に置いても違和感のないデザインで、かつ野菜まで収穫できてしまう、そんなほっこりするようなキットです。お値段は、ひとつ20000円。公式サイトとAmazonで購入することができます。
Green Farm
大阪に本社を持つ会社「ユーイング」が開発したこちらの栽培キット「Green Farm」は、”栽培家電”というカテゴリをつけたくなるほど完成度が高いもの。レタスであれば、一回の収穫で10株もとれてしまうので、夕食のおかずの材料にもぴったりです。
装置には、排気ファンや発芽・花モードに切り替えができる操作パネル、タイマーボタンが並びます。半密閉構造なので、虫も入りにくいです。そして、省電力LEDによって1日の電気代は10円以下。
お値段は、ひとつ29800円。Amazonでも購入ができます。子供と家で料理を楽しみながら、目の前で新鮮な野菜をもぎ取れる、そんな家族での利用によいかもしれません。
そしてさらには、「Green Farm Cube」と「Green Farm TRI-TOWER」という新商品も近日発売されるようです。小型から大型まで、自分にあった収穫量をもとに選べるなんてうれしいですね。
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以上、海外から3つ、日本から2つの水耕栽培キットを紹介しました。どれか、気に入ったものはありましたか?
水耕栽培、なんて言うとちょっと難しく感じてしまうかもしれませんが、要するに、日々の管理がとっても楽になるんです。土を使わないので、部屋が汚れる心配はないし、おしゃれだからインテリアとしても飾れます。
「今まで家庭菜園ってたいへんって思ってたけど、これならできるかも!」と思えるものが、もしかしたらあるかもしれません。楽しく育てて、おいしく食べる、そんな体験が自宅でも気軽にできる時代がくるのかもしれませんね。
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