野菜を収穫した後の楽しみといったら、やっぱりその後の食事。家族、友達、恋人と一緒においしい料理を味わうひとときに”育てた食材”が一品でも加わるだけで、味わい方が不思議と変わってきますよね。
様々な人の”おうち”にうかがって、食事を楽しんでいる様子をお伝えするコーナー「おうちの食卓」。今回紹介するのは、鎌倉市内にある自然豊かな家で女性ふたりが囲む食卓です。
調理された鮮やかな料理はもちろん、緑豊かなお庭がとても涼しくて、まるで避暑地を見つけたような気持ちに。リスを見つけたときには、「そうそう、ときどき現れるんですよ」なんて素敵なお話も。
本日の食材:ネギ、フェンネル、タイムの収穫
まずは食材の調達のために畑へ。当日はとても天気がよくて、絶好の収穫日和でした。
最初に目にとまったのは、元気に育ったフェンネル。よくハーブやスパイスとして利用されるセリ科の植物です。今回は、マリネのために葉を少し収穫しましょう。
畑作業をしていると、ときにはこんな遭遇も。いも虫だって食べたい、おいしいフェンネルの証ですね。
続いてはネギを。こちらはほどよい大きさに育っていました。
最後にタイムを。こちらもフェンネルと同様に心地よい香りを出していました。こちらは、食後のデザートに活用しましょう。
食事の準備中に、リスとの遭遇も
さてさて、畑から戻ったらいよいよ食事の準備です。収穫した作物とは別に、バゲット、ナスタチウム、スティックセニョール(茎ブロッコリー)などを加えて料理が進んでいきます。
部屋の外に見えるのは、斜面に広がる木々。奥にはバナナの木も生えていて、暑い日差しから守ってくれる大切な”マイ避暑地”とも言えそうな素敵なスペースです。
ここでまさかのリスに遭遇。2匹が木々を飛び交っていました。初めての経験だったので「すごいですね!」と聞くと、「たまに現れるんですよ」というお答えが。あまりにも突然で素敵な状況に、写真を撮ることを忘れてしまいました。
茨城からのズッキーニ、北海道からはホワイトアスパラ
いよいよ本日の料理たちがテーブルに並びます。まずは、葉山産の蛸(たこ)とズッキーニとフェンネルのマリネ(記事の最後でレシピを公開)。ズッキーニは、茨城県のこだわり農場「久松農園」から届いたものです。
北海道から届いたというホワイトアスパラと、そこに添えられたナスタチウムの葉。鑑賞用のイメージが強いナスタチウムですが、実は食用で、葉は独特の辛みを持ちます。意外な脇役です。
バゲット料理も並んでテーブルが鮮やかに。ミニトマト、バジル、アスパラ、タマネギなどが彩りを加えます。
こちらは、グリーンピースとミントがのったソラマメのペースト。食感や味が異なる食材が、”緑”を軸にガラスのカップに集います。
身体が温まるロールキャベツも。例え外が暑かろうとパクっと食べれてしまう、そんな不思議な魅力をもった料理です。今回の食卓では”温もり”の役を。
さてさて、テーブルに全ての料理が出そろいました。あとは、おしゃれなグラスにドリンクを注いで、楽しい食卓をはじめましょう。
イギリスのこと、就農のこと、会話が弾む食事会
窓から入る心地よい風と、リスがときとき飛び交う庭を横に、楽しい食事会がスタート。味はもちろん、色鮮やかな料理たちは、見ても楽しめる”食べられる作品”そのものです。
料理が大好きな人と、これから就農をする人。そんなふたりでテーブルを囲み、「いつから料理を好きになったの?」「なぜ会社員をやめてまで就農しようと思ったの?」などとお互いの想いを語りあいます。
家族と一緒にロンドンで暮らしていたときのこと、食文化の違いに驚いたこと、農業の本にたまたま出会ったときのこと、それをきっかけに週末に農業の学校に通うようになったことなど、女子ふたりの食卓で交わされる会話。
こうして自然に囲まれながらじっくり時間を取ることで、お互いに知らなかった意外な一面が出ることも。日々忙しいと、なかなか深いおしゃべりってできないですよね。
最後にいただいたのは、さくらんぼとタイムのゼリー。タイムはもちろん、畑で収穫したもの。
みなさんは、週に1回でもゆっくり食事をする機会を持てていますか?野菜を育てることも料理をすることも含めての食事。そんな意識でじっくり食べてみると、自分の新しい一面や、家族・友達の意外な一面に触れられるかもしれません。
本日のおうちのレシピ
葉山の蛸(タコ)とズッキーニとフェンネルのマリネ
材料:
タコ(刺身用)・・・・・・300g
ズッキーニ(緑と黄)・・・1/3本ずつ
スティックセニョール・・・2~3本
フェンネル・・・・・・・・お好みの量
塩・・・・・・・・・・・・少々
オリーブオイル・・・・・・少々
レモン・・・・・・・・・・少々
作り方:
1. ズッキーニを輪切りにし、オリーブオイルをしいたフライパンで焼く(中火でじっくり)。火が通ったら皿に取り出しておく。
2. スティックセニョールも”つぼみ”と芯に分けて、オリーブオイルをしいたフライパンで焼き、野菜に透明感が出たら水を入れ弱火に、フタをして蒸し焼き。水気がなくなるまで焼く。ボウルに出して、しばらくさます。
3. タコが入ったボウルにズッキーニとスティックセニョールを入れて混ぜ、塩、オリーブオイル、レモン、ちぎったフェンネルを和える。味見をしておいしかったら、できあがり。ラップをして冷蔵庫で冷やす。
コツ:
冷やすと味が薄くなるので、少し強めに味付けをすると良いです。
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