今、世界中を感動の渦に巻き込んでいる1匹の子ヤギがいます。そのヤギの名前は「フロスティ」。海外では「Frostie The Snow Goat」という愛称で知られています。
この子ヤギについての記事がオーストラリアの動物保護団体「Edgar’s Mission」のブログにアップされると、その愛くるしい姿はもちろん、心を打つ物語を様々なメディアが伝え、瞬く間に世界中に広まりました。
今回はこの小さなヤギ「フロスティ」の一生をお伝えします。そこには一体、どんなストーリーが込められているのでしょうか。
生まれつきの障害で歩けないヤギ「フロスティ」
フロスティは、生まれたときから関節に障害を抱えていて、2本の後ろ足を自力で動かすことができませんでした。「一生歩くことができないヤギ」という運命を、生まれた頃から背負わされていました。
そこに手を差し伸べたのが、オーストラリアの動物保護団体「Edgar’s Mission」。生まれてからまだ数日のフロスティを「助けたい」という想いから引き取り、フロスティを新たな家族として迎えました。
車イスで歩けるように
そこでEdgar’s Missionは、フロスティに特製の車イスを与えます。すると、今までは人に抱っこをされないと世界を見渡せなかったフロスティが、自分で元気に動き回るように。この姿に、世界中の人々が心を打たれます。
実はこの車イスは、以前骨折で動けなくなってしまった子ブタのために作られたもの。これをフロスティ用に改良しました。
フロスティは自分で動けることが本当に嬉しかったのか、「おいでおいで!」と呼びかけると自分から寄っていくほどに。
障害を克服し、車イスから自由に
そして奇跡は起こります。ついにフロスティは、車イスなしでも動けるように!「一生歩くことができない子ヤギ」として生まれてきたフロスティは、自分の足で歩く力を手に入れたのです。
その喜びを表現するように、「やった!やった!これで僕は普通のヤギになれた!」と飛び跳ねて動き回ります。
車イスを卒業し、ついに自分の足を手に入れたフロスティ。でも、その感動的な瞬間からわずか1週間後、悲劇は起こります。
6月24日、天国へ
フロスティは天国に行ってしまいました。この悲しいお知らせは、6月24日、Edgar’s Missionの公式ブログで発表されました。
原因は、背骨にできた数々の膿瘍。これによってフロスティの背骨は穴だらけになってしまいました。ひとつの大きな膿瘍は胃を圧迫するほどで、これにフロスティの小さな体は耐えきれませんでした。
フロスティが伝えてくれたこと
フロスティの人生は、本当に短いものだったかもしれません。障害を背負い、「一生歩くことができないヤギ」として生まれてきたことを考えると、決して”幸せ”からのスタートではありませんでした。
でも、その人生が1台の車イスによって変わり、たった1週間でも奇跡の瞬間を見せてくれたフロスティは、私たちに多くのことを伝えてくれました。
毎日毎日、一瞬一瞬を大切に生きること。そうすれば、きっと良いことがあるはず。フロスティ、ありがとう。
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