立ち直りにはきっかけが必要ですよね、おうち菜園の江里です。
家庭菜園、もしくはガーデニングを始めるときに必ず出てくるのが「どう育てればいいの?」という不安。雑誌やネットの記事を読むことで多少のノウハウは吸収できますが、自分の庭の環境にも左右されるので、最初はなかなかうまくいかないもの。
「とりあえずやってみよう!」と失敗しながら突き進むのもありだとは思いますが、今海外ではこの不安を解消してくれそうなグッズがいくつか登場しています。
「家庭菜園デビューしたいんだけどやり方が…」と尻込みしている人にとっては、特に注目のアイテムです。
みんなで育成環境を記録&シェアする「bitponics」
ニューヨーク州ブルックリンで誕生しているのは、「bitponics」と呼ばれる植物の育成状態を計測、そして記録してくれるもの。容器のセンサーをプランターに設置すれば、水温、pH(水質)、気温、光量、湿度などを測ってくれます。
計測した記録は、パソコン、タブレット、スマホでいつでもどこでもチェックすることができ、さらにはそのデータを「bitponics」のコミュニティ内でユーザーと共有することも可能です。
データは記録としていつでも振り返ることができるので、例えばトマトの苗の元気が急になくなったら、「去年の今頃とどう環境が変わってるんだろう?」とチェックすることができそうです。
もしくは、同じような環境で育てている近辺のユーザーの記録を見ることでも新しい発見がありそうですね。
サービスの利用は無料と有料版があり、記録できる期間やアップできる写真数などが変わってきます。「記録をシェアしたくない」ということであれば、月9ドルでプライベート化することもできるみたいです。
誰でも自由に改造できる端末「HarvestGeek」
米国ノースカロライナ州で開発されているこの「HarvestGeek」という端末。こちらも「bitponics」と同じようにプランターに入れて使うセンサーで、同じように育成環境(水温、pH、気温など)の記録とシェアができます。
「HarvestGeek」の可能性を感じる特徴は、システムが”オープンソース”なところ。要するに、「もっとこうしたら使いやすくなるんじゃない?」と思ったら、自分なりに改造することも可能ということ。
プログラミングに強い菜園者がどれだけ日本にいるのかわかりませんが、そうした”ギーク”な人とは相性が良さそうなグッズです。これからどう変わっていくのか、注目したいですね。
土の診断士「Edyn」
サンフランシスコ(カロフォルニア州)で開発されたこの「Edyn」は、かっこいいデザインはもちろん、その機能もかなりイケてます。
このスティックを庭に差しておけば、土の状態の記録から「あなたの庭にはこんな植物が合っていますよ」という提案までしてくれるそう!まさに、”土の診断士”です。
「Edyn」のすごさはこれだけではありません。さらに別でホースに接続できるセンサーも用意されていて、土の湿度が一定以下になると、自動で水やりをしてくれます。
自分の庭の状態記録から相性の良い植物まで提案してくれて、さらには水やりまでお任せでOK。これがあれば、ガーデニングや家庭菜園がかなり楽になりそうな予感です。
栽培が自動化する時代
今回紹介した3つのセンサーは、どれも日本には上陸していないか、まだ一般販売はされていません。ただ、こうした機器が普及することで、「やり方がわからない」と踏み込めていない人はもちろん、すでに実践している人でも新たな発見が得られそうです。
皆さんは、こうしたセンサーがある家庭菜園をイメージできますか?もしかしたら、5年後くらいにはホームセンターで買えるほど普及しているかも。
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