夜にコーヒーを飲むと眠れなくなります、おうち菜園の江里です。
家庭菜園を自宅で楽しんでいる人、もしくはそれをサポートすることで”育てて食べる”という行為をワクワクに変えている人を紹介するコーナー「おうち菜園な人」。3人目は、株式会社はなと屋のデザイナー、若杉大輔さんです。
親しみ深いイラストで人気の家庭菜園SNS「菜園ナビ」のデザインも手掛けている若杉さん。実は、おうち菜園のロゴもデザインしていただいています。
「菜園ナビ」での関わりをきっかけに自宅でも家庭菜園を楽しむようになった若杉さんですが、実はデザイナーとして活動する前は半導体企業で働いていたとか。
今回は、そんなユニークなキャリアを描いてきた若杉さんに、転職のきっかけやロゴへの想い、現在の活動についてうかがいました。
(若杉さんが福岡在住ということもあり、今回はメールでインタビューを実施しています)
江里 素敵なロゴデザインをありがとうございました。今回は、色々と若杉さんのことを聞かせてください。
若杉さん(以下、若杉) こちらこそありがとうございました。今回はよろしくお願いします。
江里 若杉さんは「菜園ナビ」のデザインを担当されていますよね。あれ、ぼくすごく好きなんです。キャラクターの愛くるしさが目立つし、ユーザーの投稿写真と周囲のイラストが対照的で素敵です。
若杉 ありがとうございます。
江里 元々農業には興味があったんですか?
若杉 実は、母親の実家がびわ農家なんです。子供の頃に手伝いをしたり、家が海や山に近いこともあって自然に触れる機会はたくさんありました。ただ、きちんと農業に向き合うようになったのは「菜園ナビ」がきっかけです。
菜園ナビとは
2013年3月1日にリリースされた菜園特化型SNS。家庭菜園の日々を日記感覚で投稿でき、ユーザー同士で繋がることで疑問点も教え合うことができる。運営は、農業機械メーカーの「OREC」。
江里 そうだったんですね。
若杉 仕事として関わるときにはすでに「菜園ナビ」のプロジェクトが社内で進んでいたので、私はサイトデザインと、一般の人の目線に立った意見を伝える形で協力させていただくことになりました。今では、菜園ナビを通して、現在の農業の課題や問題点が見えたり、ITとの連携で新しいビジネスが生まれたりと、この分野にはとても可能性を感じています。
江里 元々デザイナーとして活動されていたんですか?
若杉 最初の職場が半導体企業で、その後通ったデザイン系の学校を卒業後、7年ほど福岡のデザイン事務所で働いていました。はなと屋に入社したのは、今から1年程前になります。
江里 半導体企業からデザイナーというのは大きな方向転換ですね。どういったきっかけがあったのでしょうか?
気持ちを抑えたら後悔すると思った
若杉 幼稚園の頃から絵を描いたり工作をするのが好きで、時間を忘れて没頭していました。ドラゴンボールが大好きで、小学校の頃はよく少年ジャンプを机に広げては、ひたすらマネをして描いていましたよ。
江里 実は、ぼくも絵を描くのが好きで。よく漫画ワンピースのキャラとか描いていました。
若杉 江里さんはワンピース世代なんですね。僕は、夏休みの宿題や連絡帳などにも無理やりイラストを入れ込んで提出するような子供でした。
江里 その気持ちが心の奥底にあったんですね。
若杉 そうですね。
江里 具体的に「絵を仕事にしたい!」と思い立った場面があったのですか?
若杉 学生時代から絵やデザインの仕事に興味を持ちながらも、なかなか踏み込む勇気がなかったんです。ただ企業に勤めていた時、日々の生活の中で目に入るデザインやイラストを見ていたら「自分もこんな仕事ができたら」と考えることが増え、その想いが日に日に強くなりました。
そして「このままこの気持ちを抑えて生きていたらきっと後悔する。だったらチャレンジしたい!」とデザイン系の学校へ進む事を決心しました。当初は反対していた両親も想いを伝えると理解してくれて、今でも温かく見守ってくれているので本当に感謝しています。
江里 まさに”やりたいこと”を仕事にできたんですね。デザイナーとしての進路を選んだことは後悔していませんか?
若杉 後悔はないです。友人の結婚式などにイラストをプレゼントする機会があって、そのときに相手に喜んでもらえたことがすごく印象的で、「自分はやっぱり絵 だ!」と痛感します。制作する時に相手が喜ぶ顔を想像しながらデザインすることが自分は好きなんだと、改めて感じています。
去年はミニトマトやバジルを育てました
江里 自宅ではどんな野菜を育てているんですか?
若杉 プランターなので規模は小さいですが、昨年はミニトマト、バジル、青じそ、枝豆などを育てました。現在は、イチゴ、パセリ、ネギ、スナップエンドウなどを育てています。
江里 たくさん育てていますね。
若杉 あとは、びわ、リンゴ、アボカドなど、食べた後の種を発芽させたものもありますが、これは食べるというよりは、成長過程を楽しんでいます。
江里 そんな楽しみ方も。ぼくもアボカドは好きなので、今度植えてみたいです。
ロゴへの想い
江里 では最後に、今回デザインしていただいたロゴについてお聞かせください。
若杉 はい。
江里 このロゴは、「家族」「菜園」「家」というおうち菜園のコンセプトをまさに表現していて、本当に素敵だなぁと思っているのですが、若杉さんはどのような想いでこれをデザインされたんでしょうか?
若杉 使用している野菜たちは、シルエットになっても認識しやすい個性豊かなものを中心に選んでいます。また、鮮やかにすることで”楽しい”イメージを伝え、「この野菜はなんだろう?」「これはきっとカブだ!」などと、見た人が家のシルエットに隠れた野菜をワクワクしながら探せるように制作しました。
江里 ロゴをきっかけにコミュニケーションが生まれるんですね。綺麗だけじゃない、ステキな仕掛けだなぁ。
若杉 ありがとうございます!
江里 今回は、福岡からお時間をつくっていただいてありがとうございました。次回はぜひ、実際にお会いしましょう。
若杉 ぜひ!こちらこそ、ありがとうございました。
インタビューを終えて
一度就職をしてその進路を転換するというのは、結構なリスクのはず。ぼくも一度退職をして1年間旅をした経験を持っているので、「やりたい!」気持ちに素直に従った若杉さんの話は、聞いていて本当に気持ちがよいものでした。
「好きなことを仕事にすることは大変」と言ったりもしますが、若杉さんがデザインしてくれたロゴからは、”大変”よりも”楽しい”という想いのほうが溢れているように感じました。
みなさんには、若杉さんのように「これをやりたい!でも…」と葛藤した時期はありましたか?ぼくは、好きな水彩画を最近全然描いていないので、これを機会に週末にでも自分の”やりたいこと”と向き合ってみようと思います。
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