アメリカのミシガン州マコーム郡に「Hope Center」という名前の食料庫があります。実はここにあるものはみんなタダ。とってもお得ですが利用できるのは1年で6回まで。1回利用したら30日間は次の利用ができません。
そして、ここで大きな菜園づくりが準備されています。100世帯が必要とする1週間分の食料を毎日収穫できるよう目指し、野菜と魚を一緒に育てるそうなんです。
「Hope Center」は、職を失ったりして食べものに困っている人たちに食料を提供する施設です。どうしてここに菜園をつくろうと思ったのでしょうか。
買わずに自分たちで育てよう
「Hope Center」では毎日100世帯に食料を提供しています。その多くは寄付金等の資金で購入しています。だけど値上がりなどで購入が難しくなってきているといいます。
だったら「自分たちでつくろう!」ということで、建物内に菜園をつくることにしたのです。アメリカにはほかにも食料庫があるのですが、自分でつくるという「Hope Center」の取り組みが注目されています。
100世帯の1週間分を毎日収穫
この菜園の規模はとても大きく、例えばレタスは1年で20万個つくる予定だとか。他にもトマトやイチゴなど色々な野菜や果物がつくられます。そして100世帯が1週間に必要な量を、毎日収穫することを目指しています。
野菜や果物を自分たちで育てれば、それらを購入するコストを抑えることができます。計画ではその削減額は年間約20万ドル分。建設費と1年目の運営費は約21万ドルなので、すぐにもとがとれます。
さらにこの菜園では魚も養殖して、1年間で約2トンを提供する予定です。そう、完成予定の菜園では魚と植物を一緒に育てる農法「アクアポニックス」が採用されます。
新しい食料庫のモデル
「Hope Center」が描く新しい食料庫のメリットは、コストも抑えられて新鮮な食べものを安定して提供できるようにもなるということ。食べものに困る人たちも新鮮でおいしいものを食べられるようになるなんて素敵ですね。
「Hope Center」は、このプロジェクトが成功すれば他の食料庫のモデルにもなれるだろうと考えています。そして家庭でも自分たちで新鮮な食べものを育てられるように教育もしていきたいそうです。
Photo via Detroit Free Press, Crain’s Detroit Business
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— おうち菜園
Profile
- 「世界の菜園」「アクアポニックス」担当。好きな野菜は、ブロッコリー。