美しいだけじゃない。40種類の実をつける1本の木がアメリカで誕生した理由

Tree-of-40-fruit

photo credit: Sam Van Aken

リンゴは丸かじりしたいタイプ、おうち菜園の江里です。

ちょっとびっくりな情報が入ってきました。なんと、40種類の果実がなる木がアメリカで誕生しています。春になるとピンク、白、赤、紫と色鮮やかな花が咲き、これが夏以降にはモモ、梅、杏などの実をつけるそうです。

1本の木に40種類の果実

これを実現させたのは、ニューヨーク州のシラキュース大学の教授、サムさん(Sam Van Aken)。市内で運営されている果樹園が資金不足が原因で閉園すると2008年に知りショックを受けたサムさんは、なんとその果樹園を買うことを決意します。

sam-van-aken

サムさん – photo capture via The tree of forty fruits on Youtube

その果樹園には150歳、200歳の木もあったということですから、それらの貴重な植物たちがなぎ倒される姿を見たくなかったサムさん。世界の果樹の多様性を保つ上でも、とても大きな決断でした。

その後サムさんは、それぞれの果樹をひとつの1本の木に”移植”(植物を別の場所に植え替えること)します。250種類を超える果樹をくっつけていったそうです。

tree-of-40-fruit

移植していった果樹 – photo capture via The tree of forty fruits on Youtube

結果できあがったのが、今回の40種類の実がなる1本の木。しかも、すでにこの木がニューヨーク市内に16本もあり、博物館やコミュニティセンターで元気に育っているそうです。

不自然だけど、鮮やかで意味のある木

1本の木に40種類の実がなるなんて、自然界ではありえません。でも、サムさんはこれを「くっつけたら面白そう」と単なる興味本位でやったのではなく、150歳を超える貴重な果樹の命を救うためにやりました。

この木に花が一斉に咲く春の景色は、どんなものなのでしょうね。美しいのはもちろんのこと、そこにはなぎ倒される運命だった植物たちのサムさんへの感謝の言葉が、たくさんつまっていそうです。

(via Science alert

いいね!で最新情報をお届けします



もっと菜園アイデアを知りたい人へ