どうも、銀杏は苦手、おうち菜園の江里です。
皆さんは屋上農園(菜園)に行ったことがありますか?これは、使われていない屋上のスペースに植物を植えたり、野菜や果物を育てたりして”緑化”すること。特に自然が少ない都会では意味のある活動ですよね。
ぼくはちょっと前にとある市役所に行ったとき、フロアガイドに「屋上菜園」と書いてあるのを見つけて。行ってみたら菜の花やちょっとした池まであって、風も気持ちよくて嬉しい発見でした。
何が言いたいかというと、気づいていないだけで実は皆さんがよく利用する建物の屋上には菜園があるかも?という話。ぜひ、今度フロアガイドを眺めてみてください。「あ!あった!」という発見があるかも。
とその前に。ひとつ知っておくとイメージが広がるのが、ニューヨークにある世界最大の屋上農園のこと。誕生は2010年、今では野菜や果物だけではなく養蜂(ミツバチ飼育)までやっている注目のスポットです。
世界最大の屋上農園を運営する「Brooklyn Grange」
ニューヨークの企業「Brooklyn Grange」が運営する2つ(ブルックリン区・クイーンズ区)の屋上農園の合計の広さは、約3000坪。2010年のスタート以降、農園は順調に成長しており、2012年には養蜂も開始しています。
農園で管理されているのは、野菜や果物、鶏(糞を肥料として活用)、ミツバチなど。毎年生産される2万kg以上にもなる作物が地元の消費者やレストランに販売されています。
生産者と消費者がお互いに支え合うコミュニティ型農業「CSA」(Community Supported Agriculture)を導入しているのも注目で、現在40名ほどの会員がいるとか。都市の人々と農を繋げようとしている活動熱を感じます。
屋上専用の土「Rooflite」
「Brooklyn Grange」が運営する屋上農園では、キノコのコンポストと特別な石(Porous Stone)を配合した軽量土壌を採用しています。これは、ペンシルバニア州の企業によるもの。
このように、屋上に大規模な農園を設置する場合は、建物にかかる負荷(重さ)、排水の問題などがあります。「Brooklyn Grange」の共同創業者兼専属農家でもあるベンさん(Ben Flanner)によると、風が強い屋上での強風対策も必須だとか。
従来の農園とは違い、屋上農園が設置されるのは高さ10メートル以上にもなる建物のてっぺん。”世界最大規模”の裏には、こうした特別な環境で出てきた数えきれないほどの課題との闘いがあったはず。
そうした背景も捉えた上で見るこの映像は感動的です。
これはブルックリン区の屋上農園が7ヵ月間で菜園化していく様子を収めたもの。最初の本当に何もなかった状態からどんどん緑化していく様子は圧巻です。
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日本でここまで大規模にできるかどうかはわかりませんが、探せば使われていない”宝”の屋上スペースはまだまだありそう。そのうち、「屋上農家」として暮らしていく人だって登場するかも。
ぜひこの事例を頭に入れた上で、近所の屋上農園を今度探してみてください。風が気持ちいいし眺めもよくて、いつもとは違う”緑との触れ合い”になるはず。
参考リンク
The World’s Largest Rooftop Farm Sets the Stage for Urban Growth
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